[`yahoo` not found]
Pocket

8effc3a11a0c096d4f97545addb4ccc7_s
プロダクトアウトとマーケットインという言葉があります。プロダクトアウトというのは、製品の作り手が良いと思う物を作ることを優先する考え方です。これはより質の高い優れた製品を追求していくという考えにも繋がっていきます。

一方、マーケットインは市場の顧客が求めるもの優先で製品を作ろうとする考えです。顧客が何を求めているのかを調べ、確実に売れるものだけを作っていく考えです。

言い方を変えれば、多少値が張っても優れた質の高いものを作るか、大衆迎合する、ほどほどの機能に抑えた安価な製品を作るかということにもなります。

優れた製品と売れる製品は必ずしも一致しない

マーケットインとプロダクトアウトはどちらが良いのか?
それは、一概には言えません。

理想的なのは、両方を併せ持つものを作るということでしょうか。そのためには、質の優れたものと、市場が受け入れるもの、この両者に対してバランス感覚を働かせなければなりません。

それは工業製品はもちろん、音楽などのコンテンツ等にも当てはまります。

ジャズやクラシックといった高度な音楽性が求められる楽曲が売れ筋になるとは限りません。実は、日本でジャズやクラシックは音楽市場では、シェアはそれほど高くありません。むしろ大衆受けする、アイドルソングやアニソン、歌謡曲のほうが売れ筋だったりします。

質の高い優れた製品と、大衆に売れる製品とは必ずしも一致するとは限らないということです。音楽を買う側がそれほど音楽に詳しくなく、そこまで高度な音楽を求めていないとも言えます。

工業製品についても同じことが言え、より質の高い高性能で様々な設備に凝った高級車は、よほど車にこだわりを持った高給取りぐらいしか買いません。大衆に売れる車は、車としての機能を果たしていて十分に動ければいいという程度のものです。

高度経済成長期には、大量生産が求められ、顧客は物を渇望していたように買いあさったために何を作っても売れました。プロダクトアウトで作り手というか売り手市場だったわけです。

しかし、一定の経済成長を果たし、モノ余りとなった今、市場のニーズが多様化し、作り手が優れていると思うものがなかなか売れなくなりました。

ある意味、マーケットインは今の時代に適しているとも言えます。

マーケットインに偏り過ぎた日本メーカーの凋落

一時期、顧客の声を聞いた商品開発が多く行われていた時期がありました。ところが、市場調査で顧客が求めるものを調査して作ったにもかかわらず、大ヒット商品になったという話は聞いたことがありません。

ある模型メーカーが顧客がモデル化してほしい自動車の車種を調査して作ったところ、コレクターの間では不人気で大量に持て余されたことがありました。このように顧客求めに応じて作ったはずなのに大した成果にはなりませんでした。

日本は高度経済成長期から低度経済成長期へ移行後、マーケットインばかり考えて商品を作ってきたために、大衆受けするものしか作れません。それでは、アップル社のiPhoneのような優れたアイディアはまず出てきません。

ソニーがアナログのウォークマンを作っていたころは売れていましたが、しかしその後ウォークマンの後継として登場したMDプレイヤーは長く続きませんでした。アップルのiPodに取って代わられてしまったからです。

日本メーカーはCDから好きな楽曲だけを選んでMDディスクに取り込んで持ち歩く、あくまでもCDを買うという考え方から抜けられませんでした。ところが、iPodを世に送り出した、アップル社は、早くからネットでの音楽配信が来る時代を見据えていた。この違いから見ても内向きな日本メーカーと先の時代を見据えている海外メーカーとの違いが分かります。

優れた製品開発を続けることの重要性

マーケットインを考えて作ることはもちろん重要です。しかし、大衆受けするものだけ作っていたら、優れた製品は作れなくなり、いつかネタ切れ、需要は先細ります。今の日本の家電製品メーカーの凋落ぶりを見れば分かりますね。

むしろ新しいアイディアでどこにもないような優れた製品を作って、新たな需要を開拓していくことが市場を活性化させるために必要です。より質の高い製品で顧客を教育し、顧客の製品に対する見る目を製品の作り手が成長させるぐらいのことが必要です。

[`yahoo` not found]
Pocket